うにたべたい

三大怪獣グルメのうにたべたいのレビュー・感想・評価

三大怪獣グルメ(2019年製作の映画)
3.3
久しぶりの河崎実監督作品。
なぜか普通に近所のTSUTAYAにあったので借りてみました。
キャストが豪華だからなのか、2021年8月時点でアマプラで有料配信されている様子で、視聴が容易で恵まれた作品な気がします。

『日本を襲う大ダコを軍隊が酢鉄砲で倒して酢ダコにして食べる』 という変な映画を、戦前円谷英二が企画していたことを、よりにもよって河崎実が聞いてしまい、その話を元ネタに作ったとのこと。
もしゴジラではなく、ゴジラ以前に構想されていた本作が先に採用されていたら、怪獣映画の歴史は変わっていたであろうことから、河崎氏は本作を「怪獣映画の王道」であると述べています。
確かに円谷英二がとち狂って、ゴジラではなく巨大な酢ダコの映画を撮り始めたら歴史は変わっていただろうけど、当時としてもイロモノ扱いされて一般受けしなかったんじゃないかなと思います。
ただ、「これだ!」となってしまった河崎実はもうどうにも止まらない。
タコに限らず、イカにカニまで巨大化させた挙げ句、国立競技場で海鮮丼を作るという相変わらずのB級っぷりに涙が止まりませんでした。
オスカー賞の審査員はちゃんと河崎実をチェックしているのでしょうか。

食糧危機を回避する策として、海産物を巨大化させる薬品"セタップZ"を開発していた研究員「田沼雄太」。
薬の開発中に研究所をクビになった彼は、実家の寿司屋を手伝っていたが、配達途中のタコ・イカ・カニを落としてしまう。
時を同じくして、巨大なタコ・イカが現れて街を破壊しながらプロレスを始める。
果たしてタコ・イカを巨大化させたのは雄太なのか。
怪獣退治の専門家SMAT(シーフード・モンスター・アタック・チームの略)は、怪獣退治に向けて動き出すという展開です。
河崎実監督の"大怪獣モノ"に登場したセタップが本作でも登場します。
大怪獣モノでは、「セタップ細胞はありまぁす!!」という懐かしの名台詞のような弁明をしていましたが、本作では天丼をしてくれなかったのは残念なところですね。

イカ・タコの怪獣は合成丸出しな上、明らかに二足歩行で二本の腕で取っ組み合っていて、チープさがすごいです。
カニも建前上なのか横歩きをしてみていますが、途中で飽きたのか、前後に動き出します。
イカのまつげが妙に長かったり、カニが火を吐き出したり、ぬめりけをとるために消防車のようなホースで大量の酢をかけたりするような映画、乃木坂の娘もよく出演OKしたなと思いました。
すごく演技を頑張っていましたが、怪獣肉を食べて感動する乃木坂を観られる貴重な作品です。

とんでも展開の連続で楽しい作品ですが、面白かったかというと難しいところです。
氏の作品の雰囲気が好きなコア層向けで、一般的な映画ファン向けではないと思います。

他の河崎実作品も観たいけど、劇場へ行くかDVD買うかする必要があるのが多いんですよね。
配信やレンタルでもっと気軽に見れる作品が増えてくれたら嬉しいのにと思います。