このレビューはネタバレを含みます
部活に恋に勉強にすべてが上手くいっていた高校生の堕落と、その家族の再生を描いた話。
試写会にて。
予告の印象から悩みを抱える若者たちの群像劇的な内容だと勝手に思っていたけど、兄妹をメインにした2部構成の映画だった。とはいっても、兄のパートはほぼ前振りみたいなもので後半の妹の話が主軸になっているのだけれど。この前半の兄の話が割と冗長で退屈で、それでいて結構胸糞悪くて全然ハマらなかった。
そもそもあの家族、妹以外ヒステリックと面倒臭さの塊みたいな家族で、典型的な家庭崩壊のモデルみたいなもので、家族が崩壊するきっかけである問題の出来事が起こっても、そりゃそうなるだろうなという風にしか思えなかった。
また、それを補えるほど後半の妹の話に引きがあるかというと、そういうわけでもなく、たまたま良い奴に巡り合えて、家族の大切さを知ることができた。みたいな、なんとも抽象的な話。
結局兄が更生できたのかどうかも、分からないままだし。
父親は父親で、自分に責任があると思い込んでいる妹のことを他人事のように慰めていてムカついた。あんたが兄に誤った価値観を植え付けたんでしょうに。
あの展開だと家庭環境ってやっぱり大事だね。っていう結論にしかならないと思う。
プレイリストムービーというだけあって、名だたるアーティストの楽曲がふんだんに使われている。キツめの色遣いと多用されるフラッシュはインパクト絶大。グルグル回るカメラも若者の有り余るエネルギーを表しているようだった。
MVみたいな短い時間の映像だったら効果的かもしれないけど、長尺でこうも繰り返されるとだんだん目がチカチカしてきて疲れた。
あと登場人物がやたらと車の窓から頭出したがる。予告編で「ミッドサマー」が流れたせいか、電柱に当たらないかヒヤヒヤした。
普段から洋楽をよく聴く人だったら、歌詞の意味や楽曲の背景なんかも理解できて、違った感想になったのかもしれないけど、
個人的には合わなかった。