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イン・ザ・トール・グラス -狂気の迷路-の全ての映画を肯定する人のレビュー・感想・評価

4.0
面白い!
最初はただの脱出系ホラーかなと思って見てたら時空ループ物に。


これはどんな映画か考えた時に、単純に子供を産むことや、母親になることの恐怖や不安を見せたものかなと思った。

最初あの岩が出てきた時に、あの岩は子宮のメタファーで、そこに迷い込んだ人が精子だと思った。
生き残りをかけて戦う。子宮に辿り着かずに死ぬものは沢山いるし、色んな方向で死んでる自分が何人もいる。
岩の周りが崩れて、その下に何体もの死体が地獄の底まで埋まっているのも、今まで下ろされてきた子供の亡霊的なものかなと。

ぼうぼうに生えた草の中に入っていく…というのがもうすでに…
股の周りに剛毛草が生えてるみたいな歌歌ってたし…
(胎内回帰とは違うのかな…?)


男が岩(子宮)に触れる=父親になる。
(映画の中で岩に触れたのは男だけ)
父親になることで本性が曝け出される。

だから子供(や母親)が岩に触れても道がわからなかったのでは?

子宮に触れた父親が凶暴になって皆んなを支配しようとした→子供を産んで変わった、亭主関白気味なDV父親の象徴。
この家族は、父親の仕事のためにここにきている。(→家族は二の次)

そもそも主人公はお腹の子供を下ろしに行こうとしていたため、堕胎=罪なので、あのような目に遭ったのではないか…教会で罪を懺悔して改心させるため。

しかし、あの父親のように父としての心を持ち合わせていないものは岩に触れるとおかしくなるし、トラビスのように後悔の心(トラビスは初め妻子を捨て子供をおろすように言っていたがそれを後悔して2人を追ってきた)があるものには改心させ出口を見つけさせる。
トラビスには父親の素質があった。
作中でトラビスが子供を肩車して探す父親らしいシーンがあったのもそのためか?(隣に父親がいたが何も言わずに見ているだけ)

→そして『子供』を救出する。

主人公も、元々は子供をおろそうと思っていたが、今回のことで改心し「母親」になることを決めた。