MasaichiYaguchi

ミは未来のミのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

ミは未来のミ(2019年製作の映画)
3.6
若い頃、未来には可能性や夢が一杯詰まっていると言われたりするけれど、現実的には才能や能力、出会いをはじめとした運、そして資金や時間の枷があって選択肢は限られていることを思い知る。
主人公で高校3年の拓也は秋になっても進路を決められず、焦りながらも悪友たちと毎日だらだら過ごしている。
そんな拓也をよそに、家庭では姉の結婚によってもたらされる変化、クラスメイトたちの進学や就職への進路が彼に容赦無い“選択”を迫っていく。
そんな宙ぶらりんのある日、青天の霹靂のような出来事が彼らに降り掛かっていく。
この青天の霹靂のような出来事の中で、悪友グループ内で約束したことを果たす為、彼らは思い切った行動を起こす。
多感な少年時代を過ごした男性なら、彼らの行動に苦笑いしながらも共感してしまうではないだろうか。
この作品で「いつかは灰になる」という言葉が何回か出てくるが、夢や希望というか妄想は、月日が経てば「灰になる」かもしれないが、たとえそうなったとしても、抱いた思いは心の何処かに積もり、何かの弾みや機会を得て顔をもたげるような気がする。