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夏時間のkazu1961のレビュー・感想・評価

夏時間(2019年製作の映画)
3.8
🔸Film Diary————————————————-
▪️本年鑑賞数 :2021-540
▪️#死ぬまでに観たい映画1001本 ※※※/1001

🖋皆さんのレビュー通り、キム・ボラ監督の『はちどり』のように日常の家庭の時間の流れを静かに淡々と描いています。ラストの姉が突然泣き出してのは、母親が出て行ったことなのか、祖父が亡くなったことなのか。。。諦念と納得が交錯した涙なんでしょうね。。。

🖋監督、脚本のユン・ダンビはこれがデビュー作ということ。とても情感豊かな作品を作り上げました。三世代にわたる家族のそれぞれの心の動きをゆっくりと、祖父の家の夏を舞台に流れる時間を描いた秀作です。祖父、父、叔母、姉、弟、それぞれの感情の核にストレートでありながら優しく迫っています。

🖋ラストの姉が泣き崩れるシーン、姉と喧嘩して泣き崩れる弟に祖父が手を差し伸べるシーン、特に印象的なシーンです。このあたりの演出がとても素晴らしいですね。

🖋そして日本でも同様に感じられるであろう古民家の夏のノスタルジー。緑輝く庭、西陽、たなびく蚊帳、古いミシン、甘い葡萄そして床での昼寝。。。家族でいることの優しさと切なさ、夏の青さが脳裏をかすめます。

🖋本作、監督は1990年生まれのユン・ダンビ。
第24回釜山国際映画祭で4冠に輝いたのを筆頭に、ロッテルダム国際映画祭など数多くの映画祭で、デビュー作である本作の繊細さと確かな演出力が絶賛されました。ヒロインに抜てきされたチェ・ジョンウンのほか、ヤン・フンジュ、パク・スンジュン、パク・ヒョニョンらが出演しています。『はちどり』のキム・ボラや『わたしたち』のユン・ガウン、『82年生まれ、キム・ジヨン』のキム・ドヨンに並ぶ、若き期待の韓国の才能ですね!!

😌物語は。。。(参考:公式サイトより)
夏休みのある日、10代の少女オクジュは、父が事業に失敗したため、弟ドンジュと父と共に広い庭のある祖父の家に引っ越したが、そこに母親の姿はなかった。弟は新しい環境にすぐ馴染むんだのだが、オクジュは居心地の悪さを感じている。そこに離婚寸前の叔母まで住みつき始め、一つ屋根の下に三世代が集まり、オクジュにとって、自分と家族の在り方を考えざるを得ない、夏の日々が始まった。オクジュが家と祖父に親しみを覚えるようになった頃、祖父が病気になってしまう…。

🔸Database————————————————-
🎥邦題 :『夏時間』
原題(英題):『Moving On』
🎥製作国 :韓国
🎥初公開 :2019
日本公開 :2021/02/27
🎥上映時間 :105分
🎥受賞 :※※※
🎥監督(製作):ユン・ダンビ
脚本 :ユン・ダンビ
原作 :※※※
撮影 :キム・ギヒョン
音楽 :
出演(声優):チェ・ジョンウン、ヤン・フンジュ、パク・スンジュン、パク・ヒョニョン、キム・サンドン

🔸Overview (映画. comより)———————
本作が初長編となる韓国のユン・ダンビ監督が10代少女の視点から家族や友人との関係を描き、第24回釜山国際映画祭で4部門を受賞した作品。10代の少女オクジュと弟ドンジュは、父親が事業に失敗したため、大きな庭のある祖父の家に引っ越して来る。しかし、そこに母親の姿はなかった。弟はすぐに新しい環境に馴染むが、オクジュはどこか居心地の悪さを感じる。さらに離婚寸前の叔母までやって来て、ひとつ屋根の下で3世代が暮らすことに。それはオクジュにとって、自分と家族との在り方を初めて意識するひと夏の始まりだった。
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