このレビューはネタバレを含みます
東京国際映画祭にて。
スウェーデンの田舎町に住む少女エーリンはロマの少女サビーナと出会う。
互いの孤独や疎外感を持ち寄り親密さを深めていく彼女たちを手持ちのカメラが追うドキュメンタリーのような手法。
キャスティングに1年を要したと言うだけあって、彼女たちの姿は演じているとは思えないほど自然だ。
パーソナリティを即興として演出の中に取り入れているらしく、様々な場面でそれが窺える。真に迫るどころか本人なのだ。
そんな2人の少女が浮かべる無邪気な笑顔と、不意に覗かせる諦観した力のない瞳。
上記の手持ちカメラや
美しくも寂寥感ある町を囲む自然の景観は、そんな揺れ動き、単色では語れない彼女たちの心情を思わせる。
グローバリズムとナショナリズムの狭間で揺れるスウェーデン及び欧州のメタファーたる少女たち。
ラストの美しさを横目に、前へ進む彼女たちは何を感じているのか?
そんな思いがよぎった。