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ジェントルメンのkuuのレビュー・感想・評価

ジェントルメン(2019年製作の映画)
3.9
『ジェントルメン』
原題The Gentlemen.
映倫区分PG12.
製作年2020年。上映時間113分。

ガイ・リッチー監督による英国・米国合作クライムサスペンス。
ミッキー役をマシュー・マコノヒーが演じるほか、チャーリー・ハナム、ヘンリー・ゴールディング、ミシェル・ドッカリー、コリン・ファレル、ヒュー・グラントら豪華なキャストが顔をそろえる。

イギリス・ロンドンの暗黒街に、一代で大麻王国を築き上げたマリファナ・キングのミッキーが、総額500億円にも相当するといわれる大麻ビジネスのすべてを売却して引退するという噂が駆け巡った。
その噂を耳にした
強欲なユダヤ人大富豪、
ゴシップ紙の編集長、
ゲスな私立探偵、
チャイニーズ・マフィア、
ロシアン・マフィア、
下町のチーマーといったワルたちが一気に動き出す。
莫大な利権をめぐり、紳士の顔をした彼らによる、裏の裏をかくスリリングな駆け引きが展開する。


『ロック、ストック、トゥー・スモーキング・バレルズ』とか『スナッチ』みたいに、今作品は、ロンドンの犯罪社会を不規則に、ほんで時には暗く笑いながら描くことで、独特の英国風の雰囲気を身にまとっていたかな。
暴力、
薬物使用、
政治的不正確さを堂々と表現してっさかい、この監督の作品を初めて見る人には不快感を与えるかもしれへん。
彼独特のスタイルへの回帰を望むファンには大いに満足するんちゃうかな。現代のギャング映画にふさわしいとされる境界線を押し広げることを恐れず、特に頑張りすぎているようには見えない作品を見るのは、確かに新鮮な気分でした。
近年、個人的には創造性に欠けていたガイ・リッチーやと思てた、彼のトレードマークであるテンポの速い編集と紛れもない英国の魅力を、彼の独自の好みに合った映画に持ち込んで、復讐のように戻ってきたように感じる作品でした。
彼の初期の作品を見てからこんにち、彼がしばしば暴力的なシーンに皮肉たっぷりのコミカルな表現を加えて、目の当たりにしたことの厳しさを和らげることを覚えている。
このような場面で何度も声を出して笑えたが、それはある時はショックから、またある時は本物のコメディの価値からでした。
また、リッチー監督のストーリーテリングの手法は変わらず、登場人物の行動の細部にまで注意を払わないと、全体のストーリーが理解しにくいようになっています。
時には理解できずに後で調べなければならないような場面もありますが、これまでの作品のように今作品はそない苦しめるようなことはなかったかな。このスタイルに慣れると、リッチーの映画は独自の生命を持ち、まるで自分で作った世界の中に存在しているかのように感じられるようになるし、今作品はアンサンブルキャストなので、主要な俳優たちはそれぞれ独自の方法で輝いていました。
マシュー・マコノヒーは、英国ギャングの世界で主役の米国人として際立ってて、異国の地でビジネスを行う際に揺るぎない自信を醸し出してた。チャーリー・ハナムは、マコノヒーの右腕として威圧的な姿勢を見せ、彼が部屋にいるだけで他の登場人物に恐怖心を抱かせる。
コリン・ファレルは、他の共演者ほど画面に映らないものの、いつものアイルランド人で、シーンの終わりに気の利いた一言を云うのが好きなキャラです。
せや、今作品で最も驚いたのんは、ヒュー・グラントがほとんど見分けがつかないほど訛った私立探偵を演じていたこと。 
実は、映画の冒頭で彼だと気づくのに少し時間がかかったのですが、気づくとこれまでの彼の最高の演技の一つを見ることができました。
ロマンチック・コメディの温厚な英国人役ではなく、もっと早くからこのような役柄を演じていればよかったと思うが、
『過ぎたるは及ばざるがごとし』ってことなんかな。
現状では、今作品はガイ・リッチーの初期の作品ほどの印象を観客に残すことはできないかもしれへんけど、彼のフィルモグラフィーに加えるには十分な作品でした。
映画監督が、そのキャリアの中で失敗や挫折を経験したにもかかわらず、自分の作品を評価してくれる観客のために何かを作っている姿には、間違いなく多くの楽しみがある。
むしろ、20年以上も映画界に身を置いているにもかかわらず、まだまだ私たちを驚かせてくれる作品を持っていることを証明しているし期待してマッセ~監督ぅ。
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