松井の天井直撃ホームラン

ブータン 山の教室の松井の天井直撃ホームランのレビュー・感想・評価

ブータン 山の教室(2019年製作の映画)
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☆☆☆☆

㊗️ アカデミー賞ノミネート 🎉

『ドライブ・マイ・カー』の4部門ノミネートで湧き上がる中、悪いですが私は密かに『ブータン 山の教室』を応援します。



コロナ禍の中、自分の体調悪化、時間の都合が合わず…と。観たいけれどなかなか叶わなかった本作を、キャパ僅かに30数席のスクリーンで捕まえる。

いや〜素晴らしい! 何回も泣いた!これなら全米も泣くぞ!いや本当に。


スクリーンを見つめながら何本かの似たような作品を思い出していたのですが…
2014年製作で、ヴィゴ・モーテンセン主演の『涙するまで、生きる』を観た時にも、似た内容で思い出した僻地へ赴任した教師の話。
そしてもう1本は『すれ違いのダイアリーズ』で、こちらも本作同様に若い青年教師が成長しながらの恋愛模様が語られる内容でした。
どちらも、その年に観た作品として年間ベスト10に入れたくなる程に好きな作品。

でも、もっと意識させられてしまう傑作の映画と言って良い作品が有りました。
それがトルコ映画の『ハッカリの季節』とゆう作品。


『ハッカリの季節』終盤の授業風景

https://youtu.be/6TgeuBxskuI?list=PLdcYxy1y12ChydjTsxXSdKGVj3o_l7gQC


ある映画フアンのブログより

https://ameblo.jp/pipe51/entry-11166547625.html




映画『ハッカリの季節』と、その元となった原作について。

http://zip2000.server-shared.com/hakkari.htm


映画『ハッカリの季節』には、トルコ国内に於けるクルド問題等の要素が内包してはいますが。純粋に僻地の村の子供達と、子供達を教える教師との物語。

(記憶が確かならば)演じている子供達は全員地元の子供達で。出て来る大人達も、主演俳優以外は全員が素人だった筈です。
それは何故か?と言うと、その地域は僻地な為に電気は無し。勿論、テレビは無いし映画も観た人は居ない。だから主演俳優の周りに居る映画スタッフも「学校の先生ってそうゆう人達なのかも?」と、誰も疑わない。
当時は映画もまだフイルムの時代。撮影した映像も現像が出来ず、地元の人もカメラに対する概念が無い。だから全員が自然体。
撮影が終了しクルーが街に帰る時、子供達が本当の先生だと思っていた俳優との別れ。
観ていて思わず胸が締め付けられる映画でした。
だからこそ、この『ブータン山の教室』を観ていてもやはり同様に胸に思わず熱いモノが込み上げて来たのです。

ハリウッドの大作映画には絶対に出せない暖かさ。私が映画に求める諸々を大いに見せて貰った。明日からも頑張って生きていける勇気と癒しを沢山スクリーンの光を受けて浴びさせて貰った。

〝 先生は未来に触れている 〟

ありがとう『ブータン山の教室』

2021年11月23日 キネカ大森3