妻と別れた男はある町で高価な鹿皮のジャケットを手に入れる。
金もなく行くあてもない男は映画監督に成り済まし、映画制作の手伝いをしてくれる女性と知り合う一方、ジャケットに愛情を注ぎ、ジャケットと会話をし、やがて世界で唯一のものになりたいというジャケットの願いを叶えるため殺人まで犯すようになる。
…おそらく男は妻と別れたことで精神の均衡を崩してしまったんだろうけど、ジャケットでは心の穴を満たすことは出来ず、次第に狂気へ陥り破滅へと向かっていく。そんなお話?
男にとって鹿皮のジャケットとは何だったのか?
束縛か、呪いか、自己の存在そのものなのか?
最後は何やら寓話的でもある。
グロ度は控えめ、なんとも深読みができそうな、不思議な余韻を残す作品でした😔