あでぃくしょんBBA

白頭山大噴火のあでぃくしょんBBAのネタバレレビュー・内容・結末

白頭山大噴火(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

2024.01.13 配信で視聴

いわゆるディザスター映画だと思って観はじめた。
途中から「思ってたんと違う」と、戸惑いが。
本作は、大災害を展開の中心に据えた、
泣いて笑えるアクションコメディだった(呆)。

例にもれず?つっこみどころは沢山ある。
「隠し撮り、なんでカッコよく写してんねん」から始まって、「あほか、こいつら。どうやって帰るつもりや」、「普通、あそこで両サイドから蜂の巣やろが」、「韓国の一般タクシー(おそらくヒュンダイのソナタ)、ガソリン無尽蔵でどんだけ頑丈やねん」等々。
きわめつけは二つ。
・韓国の妊婦さんは不死身の超人(『新感染ファイナル』でも思った)。
・ソウルは白頭山から遠いとはいえ、たった1年で復興成って噴火前の景色に戻るって強引すぎじゃね?

にもかかわらず、面白かった。力技、大成功。
災害大国・日本でなら「不謹慎」との声が飛びかいそうな題材を扱っているが、
「不謹慎がなんぼのもんや。面白くて、最後にいい映画やったと思わせたら勝ちや」という韓国映画人の覚悟が見えた。

長嶋一茂に見えないこともない主人公役のハ・ジョンウって人は、役者でなければ結婚詐欺師かプロのヒモ師に向いている。利己的な薄情顔と、“だらしない温かさ”の顔、この両方を持ってるガタイのいい男ってモテるんだよね。
途中から主人公とバディを組むスパイ役のイ・ビョンホン、周りの知人友人が熱を上げていても、昔のわたしは「後藤騎手に似た人が韓国におる」程度の認識だった。後藤騎手が亡くなったあとは、本屋やビデオ屋のポスターでイ・ビョンホンを見ても「(後藤の)身長があと20cmでも高けりゃ役者で活躍できただろうなー、頭良かったもんなー」と思ってしまって、イ・ビョンホンの出演作を観るのを避けてきた。だが、今回わかった。この人、うまいんや。
あと、個人的に印象がガラッと変わったのが、脇で地震学者を好演したマ・ドンソク氏(この人は髪型とアングル次第でコロッケに見える)。コワモテとかヤクザとか、そういう印象が強かったのに、とても繊細な演技をしていた。この人の、“学術方面の専門技術職でありながらヒーロー”って主演映画、もし作られたなら観てみたい。たぶん案外サマになる。
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