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この世界に残されてのmakoのレビュー・感想・評価

この世界に残されて(2019年製作の映画)
3.8
【一緒にいたいと想うのは、いけないことですか。】

『異端の鳥』はホロコーストから逃れた少年のお話。
本作は、終戦後の1948年、ホロコーストを生き延びた16歳の少女と42歳の医師アルドの物語。

◈ちょこっとあらすじ
第二次世界大戦のハンガリー。ナチスによるホロコーストを生き延びたものの、家族を失い孤独の身になった16歳の少女クララは、ある日寡黙な医師アルドと出会う。言葉をかわすうちに、彼の心に自分と同じ孤独を感じ取ったクララ…。


劇的な展開がある訳ではないが、物語に惹き込まれた。大抵、ウトウトしちゃう私が本作ではしなかった。

孤独を抱えたクララはアルドを父のように慕い、アルドはクララを保護することで人生を再び取り戻そうとしていく。

いやらしさを感じさせない、2人の関係性がよかった。
孤独な者同士が寄り添い、心の傷を癒やしていく。
終盤の展開は温かさを感じた。
全体的に優しい作品でした。

クララ役はアビゲール・セーケ。アビゲールは本作が映画初主演だそうです。
心に傷を負った少女を上手く演じていました。登場シーンと終盤では別人のように生き生きとし、綺麗になっていました。
アルド役はカーロイ・ハイデュク。憂いを帯びた優しい眼差しが素敵でした。クララに無償の愛を注ぎ、自身も癒やされていく様を上手く演じていました。

奇しくもホロコースト物が続きましたが内容は全然違いました😅


観客 1階席 2人+?、2階席 2人
日本語字幕 柏野文映
劇場鑑賞 #22
2021 #25
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