ポンコツ娘萌え萌え同盟

最後のフェルメール ナチスを欺いた画家のポンコツ娘萌え萌え同盟のレビュー・感想・評価

3.8
『サクラノ刻』の体験版の一つのセリフでメーヘレンが出てきて、非常に彼の存在が気になっていた。なので鑑賞。

『最後のフェルメール』はハン・ファン・メーヘレンという一人の男を描いた実話を基にした物語だ。彼がフェルメールの絵画をナチスに売り捌いていたことで戦後直後に勾留されたが、彼の仕掛けたゲームの内に踊らされていく。
とはいえ個人的には前知識があったからゲームの内に踊らされているのを客観的に見て全員滑稽に…そう思っていた。
だけど私もまたこの物語、メーヘレンのゲームの中に参戦していたのかもしれない。

いわゆる私は市民だ。
真相が発覚したあとの市民の一人なのだったんだ。メーヘレンという男の逸話だけを前知識に持っていた。
断片でのメーヘレンの認識を持ち得なかったからこそ、だけどこれはあくまで実話を"基にした"作品なのでどうなのだろうか。ますますこの男に惹かれそうなのが怖い。
とはいえ彼が語る終盤のセリフを見るとああ彼はどこまでも現実では真作にはなりえないんだろうなと思った。
それを証明に彼の名が知られてる現在がそうだ。

映像としてはたまに見せる一枚絵のよう
映像が非常に良い。褒め過ぎかもしれないけど。
裁判のシーンに多数の絵画が飾られているのに不思議な感覚を持った。他の映画の裁判シーンでは早々見かけない画。
だけど私はそれが非常にお気に入りだ。