サトシ

ミッドナイトスワンのサトシのレビュー・感想・評価

ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)
4.3
監督・脚本は内田英治、主演は草彅剛。

舞台は東京・新宿。
凪沙は男性として生まれたが肉体の性別違和のため女性の姿で暮らしている。親にはカミングアウトしておらず、母親から電話がかかってきた際も男の声色で受けていた。そんな中、親戚の娘、中学生の一果が彼女のもとに預けられることとなったが、叔父だと思い訪ねてきた一果は、凪沙の姿を見て戸惑う。
一果は親から虐待されてきたこともあり、当初は周囲に心を閉ざしていたが、凪沙の持っていたニューハーフショークラブの衣装、近所のバレエ教室をのぞき見し先生から声を掛けられたことから、バレエ教室に興味を持つ。教室に体験入室した際、買い替えたばかりだからと一果に古いバレエシューズをくれた少女が、一果が通うことになった新宿の公立中学生のりんで、二人は友人となる。
性別適合手術のため貯金していた凪沙だったが、次第に一果が実娘のように思え、自分の理解者になっていく一果のため、バレエ教室の費用として貯金を切り崩す決意をする。そんな凪沙の応援あって才能を伸ばす一果だったが、コンクールで予想外の事が起こる。
凪沙はタイで性別適合手術をするが、帰国後の無理がたたり、体調を崩していく・・・。

【キャスト】
凪沙(武田健二):草彅剛
桜田一果:服部樹咲
瑞貴(野上剣太郎):田中俊介
キャンディ:吉村界人
アキナ:真田怜臣
桑田りん:上田鈴華
桑田真祐美:佐藤江梨子
桑田正二:平山祐介
武田和子:根岸季衣
桜田早織:水川あさみ
洋子ママ:田口トモロヲ
片平実花:真飛聖

心に残る感動作品です。
草彅剛の凄すぎる演技に注目です。
最初は姪っ子を引き取る事が嫌だった凪沙役の草彅剛だが、一果がバレエを習う事で次第に心を開いていき、一果の為にバレエに通わせるように働く姿には心が震えます。性別適合手術の闇を見せられたようでオムツで出血を抑えたり、眼が見えなくなったりかなりリアルでした。
一果演じる服部樹咲はバレエ経験者であり、指先、つま先までに神経が行き渡っており素晴らしい踊りを見せてくれ物語に華を添えています。本当にどんどんバレエが上手くなり、どんどん明るくなり、どんどん話すようになり、そしてどんどん綺麗になるのが不思議な程です。
りんのキャラクターが好きでしたので家族の前で最後のダンスを披露した時は胸が締め付けられました。
真飛聖は元宝塚だけあって本当にバレエの先生のようでした。スタイルも綺麗で素敵でした。
あと田口トモロヲの演技も見逃せません。
渋谷慶一郎の音楽がピッタリでエンドロールまで堪能できました。
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