たかくらかずき

アントマン&ワスプ:クアントマニアのたかくらかずきのレビュー・感想・評価

5.0
やってくれた!!ありがとう!!!
まさに『意味不明』でありながらしっかりとポップス!これをハリウッドでやるのはチャレンジだと思うな。ぶっちぎってくれた。食らったよ。

一言で説明すると『映画秘宝とかで特集組まれてシネマカリテとかで上映する映画に何かの間違いでめちゃくちゃ金かけちゃったやつ』でした。ほんとに感動が収まらない。この流れ来てくれ!清潔で秀逸で正しい映画ばかりが映画ではないのだ。

物語の大枠はスターウォーズ的でありながら、量子世界の世界観やキャラクター、ルールは今まで全くハリウッドで描かれてなかったような、既視感を徹底的に排除したデザイン!(『ミクロの決死戦』的オマージュはもちろんありつつも)

こんなに想像力をめいいっぱい爆発させて、かつ観客がついてこれるような仕上がりにしているのは本当に素晴らしい。

ありがちなシーンの連続でありながら、そこに描かれているものは全く見たことのないものだらけ。まさに宇宙人が作った地球映画のパロディを観ているみたいだった。カーンの俳優がとても楽しそうに演じていていいなぁ。あと、字幕は林さんのほうがよいなぁ〜。

今作でアントマンたちが量子世界から発掘したのはクローネンバーグの『フライ』や『ビデオドローム』『裸のランチ』とか『ゼイリブ』、『キンザザ』または『フランク・ザッパ』のビデオみたいな、メインストリームから封印されしバッドトリップ的アンダーグラウンド表現だったのではないだろうか。そう思ってまた泣けてきた。最高すぎる…
たかくらかずき

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