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ちむぐりさ 菜の花の沖縄日記のKOUSAKAのレビュー・感想・評価

3.8
菜の花さんのピュアな感性と言葉、そして素敵な涙と笑顔に胸を打たれました。

印象的なシーンは沢山ありましたが「ヤマトンチュはウチナンチュに対して差別意識を持っている」という言葉は、最も胸に刺さりました。

自分は沖縄の血が4分の1入ってるし、沖縄文化が大好きで差別意識なんて微塵もありませんが、それでもウチナンチュの方たちからすれば差別意識を感じるような言動を、無意識のうちに自分も取っているのかもしれないと考えると怖くなりました。

基地の問題については、色んな要素がこんがらがりすぎていて「国防」の本質的な議論が出来ていないなといつも思っているので、米軍人の卑劣な犯罪や危険な事故の発生によって「アメリカ出ていけ」「基地建設反対」という世論が出来上がるのは個人的には危険だと思っています。

ですが、沖縄にだけ国防の負担を押し付け続けることは絶対に間違っているので、この映画でもどなたかが語られたセリフの通り「日本の防衛は、日本全体で負担すべき」だと思います。

沖縄の言葉であるウチナーグチには「悲しい」という言葉がなく、それに近い言葉がこの映画のタイトルにもなっている「肝(ちむ)ぐりさ」で、その意味は「誰かの心の痛みを自分の悲しみとして一緒に胸を痛めること」だそうです。

自分たちのようなヤマトンチュこそ、この「ちむぐりさ」という言葉を胸の奥に刻み込むべきではないか。強くそう思いました。

自分は、この映画を見て、パンフレットと菜の花さんの書籍「菜の花の沖縄日記」を買う事くらいしか出来てないけど、菜の花さんが引用したガンジーの言葉のとおり「まずは身の回りの小さなことから始める」ことが大事だと信じています。
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