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子供はわかってあげないのSQURのレビュー・感想・評価

子供はわかってあげない(2020年製作の映画)
2.0
無味無臭なのにどことなく惹き込まれる映画だった。
この、これといったドラマがないのに飽きることがないストーリーテリングは今まで観た沖田監督作品にも共通しており、まさにこの監督の十八番というか、味わい深いところであるように思う。
ただ、原作にあった日常と青春とミステリとSFと家族物語と……と多様な要素が入り混じった不思議なバランスを期待してみると、この映画は家族物語と青春に焦点を絞っており少々拍子抜けしてしまう。でも、これはこれで悪くないのかもしれない。
また、青春をそのままに描いたまさしく王道の本作は、その先まで見事に描き切った傑作「横道世之介」には及ばないかな、とも感じた。
なんだか、映画を観ている最中に何度か「横道世之介」を想起して、じんわりしてしまうことがあった(そしてそれは多分あんまりいいことではない)。

あと、主演上白石萌歌の魅力を堪能したい人には非常におすすめの映画だ。笑顔がとても素敵で、いい感じだ。
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