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モンスター: その瞳の奥にのとぽとぽのレビュー・感想・評価

モンスター: その瞳の奥に(2018年製作の映画)
3.0
本作もまた人種問題を扱ってはいるけど、それが他作品とは異なったティーン若者のヒヤリとした恐怖体験と、それを二度と味わいたくないという気持ちを糧に抜け出すことを決意する"回想"劇は肩透かしか?観客・見る者に問いかけ投げかけてくる挑戦的賢さか?

モンスターは夜泣かない

冒頭陳述はいわばモノローグだ --- 回想。
若き実力派ケルビン・ハリソン・Jrの熱演が引っ張る!被告はモンスターです!この状況、"黒人らしい"恐怖体験。人はそれぞれ見方が違うから、自分の価値観を大切に真実を伝えるんだ。僕がどんな人間なのか伝わらないのなら、真実なんて意味がない。裁判で大切なのは何が真実かではなく、自分を信じること。あの日見張り役をしたか、もしくは店内を偵察した?真実を貫く。"知人" 被告は今回の事件で何も得ていません、失ってばかり。
どんな結果になっても戦い続ける。…なんて劇的な展開を期待(予想?)していたら、語弊を恐れずに言ってしまえば肩透かしを食らいそうな裁判のゆくえ。だけど、それが"見方"という点に始終していて、結果的に賢い本作の個性を形作っていた。両親役ジェフリー・ライトとジェニファー・ハドソン、映画クラス先生役ティム・ブレイク・ネルソン。決めつけず白黒曖昧に見る者に委ねるスタンスが表現として好感を持てた。一筋縄では行かない真実は闇の中か、君にはどう見える?

勝手に関連作『ルース・エドガー』
♪Fall From Grace/ジョン・レジェンド
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