ロシア産のSFミリタリームービー。
近未来、モスクワ近辺を除いて世界中がブラックアウトする現象が発生し、宇宙人が仕掛けた侵略が始まる的な話。
ミリタリー描写が群を抜いて凄く、パッと見だと『スターシップトゥルーパース』や『インディペンデンスデイ』みたいな《地球人VS宇宙人》のいつも通りな作品だと思うかもしれないが、この作品は一味違った!
それは『"地球を安全に支配する目的で宇宙人が人類を生み出した"という設定で、地球侵略の際に多くの人が宇宙人のドローンと化した』という所!
敵役の宇宙人は最後を除いて数名しか出てこらず、その代わりにブラックアウトした場所の人間達が主役の所属するスペツナズ相手に武器を持って全力で襲いかかってくる!
そのドローン化された人間は意思自体は持っていそうなんだけど、恐れを持たずに平気で自爆とかしてくる世紀末な連中で、最後の方ではそんな奴らが1000人単位で待ち構えており、その阿鼻叫喚な戦場は『プライベートライアン』『ブラックホークダウン』も真っ青!
このことを起こした宇宙人も「人類は暴力を持つように作った」とか言っていて、人類を物のようにしか思っていない様はまるでゾンビ映画さながら。
"人間"対"人間"のもの凄い大殺戮が繰り広げられます。
ただ、最後はその元凶である宇宙人を倒してハッピーエンドみたいにはなっておらず、むしろそんな大殺戮をしてしまう人間の本質を問う感じになっており、
そんな中で主人公達がラストに取った行動には、まだ人間には『希望』が残っていることを示しているかのように感じました。
とても長く感じるのが欠点だけど、ロシアのぶっ飛び感を堪能できる一品です。