バルデムとファニングが親子という設定には若干の無理を感じはするものの
母国を離れて、母語と異なる環境に長年住んだのちにバルデム演じる父のように痴呆になったら、こんなふうになってしまいはしないかと心配になりながら見ていた
痴呆の主人公を演じるバルデムの演技力がとにかくすごいのと、彼を介護する娘ファニングも実に素晴らしい。涙を流しながら必死に父の介護と闘っている姿には感激した
脚本はやや荒削りである。主人公の過去をより掘り起こすようなそれもありえたはずだが、そこまで洗練されたものではなかった。ただこのような脚本だからこそ逆に主演の二人の演技に観るものを集中させるのである