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マヤの秘密のGreenTのレビュー・感想・評価

マヤの秘密(2020年製作の映画)
1.5
設定が興味深いのに、お話が膨らまない映画だなと思いました。

舞台は第二次世界大戦後のアメリカ。ルーマニア人のマヤは、アメリカ人のルイスと結婚し、アメリカで幸せに暮らしていた。ある日息子のパトリックと公園で遊んでいたマヤは、戦争中の起こった悲劇に関わりがある男を見かけ・・・。

マヤを演じるのがノーミ・ラパスなのですが、この方は私あんまり好きじゃないんですよね。なんかこう、パッとしない感じで、そこが庶民的でいいという人もいるかとは思うんですけど、私には単に魅力のない人にしか見えない。

どうも話を聞いていると、ルーマニア人であるマヤはジプシーだったらしい。で、ジプシーっていうのは、日本でいうと穢多非人みたいな、差別を受けていたために定住出来ず、放浪の民になった、というようなことをマヤは旦那のルイスに説明している。

マヤは戦争中女性だけのグループで逃げ回っていたので、危なくてしょうがなかったのですが、ある日ナチス・ドイツ軍の兵士たちに寝込みを襲われ、兵士たちは女性たちをレイプしまくり、最後はまとめて撃ち殺したという。

私はこの辺の歴史に明るくないので、こういうことが良くあったことなのかはわかりませんが、「比較的マイナーなヨーロッパの人たちの第二次世界大戦の経験」を語るという設定は興味深いなと思いました。

マヤは今でも悪夢を見たり、PTSDらしいことが描かれるのですが、そのマヤが、街でたまたま見かけた男を「あの時自分をレイプしたナチだ」と判断し、誘拐してしまう。

要するに話の主旨は、マヤがPTSDを患っていることや、もう15年も前のことなのに、自分をレイプした男を特定できるのか?誘拐された男、トーマスは、自分はスイス人で戦争中はチューリッヒにいた、人違いだ!って言うんですね。なので、どちらが本当なのか?サスペンス!ってことだと思うのですが・・・。

マヤがトーマスを誘拐するところが簡単すぎる。金槌とは言え、一回殴っただけで気絶するのか?あんな大男をどうやって1人で車のトランクに入れたんだ?自宅の地下室に縛っておくのも、麻のヒョロヒョロの紐で縛って、買い物行ったり、見張りもしないで逃げられないの?とか、大声で喚いたりして子供に聞こえないのかな?とか色々気になる。

そういうシーンと、地下室で尋問するシーン、マヤが「お願いだから嘘をつかないで。あなただってことは分かってる」っていうのと、「人違いだ」って言うトーマスの会話が何度も何度も繰り返されるだけで、一向にクライマックスに向かって集約されていかない。

そこに挿入される、マヤのフラッシュバック。それも、1回目よりは2回目、2回目よりは3回目、って感じで段々と記憶が蘇ってくるみたいのを期待していたんだけど、いつも同じフラッシュバック。

この3つのシーンがパターン化されて繰り返されるだけなので、だんだんかったるくなってくる。

ネタバレはコメント欄で!
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