バリカタ

マヤの秘密のバリカタのレビュー・感想・評価

マヤの秘密(2020年製作の映画)
3.0
微妙な仕上がりだった気がします。

なんだか自分の心の置き所をどこにすればよいか迷ってしまった作品でした。

アフターホロコーストを扱っていますからその点がフォーカスれているのか?と思いきや、どうにもその部分については重きを置いていないような気がします。まぁ、悲しい出来事のキッカケとはなっていますし、それを引き起こした元凶ですしね。話の展開は「人間が壊れていく様」、「拡大していく暴力」の恐ろしさが前面に出ていくのですよね。それは密室スリラー的なほどに。怖がらせたいのかなぁ?なんなのかなぁ?と。そしてクライマックス〜まさかの結末につながるわけですが、かなり意外な展開でした。ただ、その展開にあまり説得力を感じることができなかったんですよね。

これまで鑑賞してきたアフターホロコースト作品にはなんらかの主張を感じたのですが、本作からはそれがなかったんですよね。「すべての人間に大きく深い心の傷を与えてしまった出来事である」ということ以外には。社会派なのか?サスペンスホラーに振りたいのか?ただ、ラストシーンを見たときに「あぁ、人間の悲しき二面性」がテーマなのかも?って思いました。マヤとルイスの表情や顔の向きがそう感じさせました。この2面性があるかぎり、争いってなくならないんだろうなぁって・・・。