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迷子の人形のBONのレビュー・感想・評価

迷子の人形(1959年製作の映画)
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実写とストップモーション・アニメーションが融合したあたたかで優しいパペット・ムービー。

森で遊ぶ子ども達の元に、急な嵐が襲いかかり、女の子の大切にしていた人形は迷子になってしまう…。夜中、雨のしずくに濡れて命の息吹が宿った人形。ボールや傘、バケツや木製の犬、スコップなどの力を借りて、わが家を目指す一晩を描いたストーリー。

暗闇に差すネオンサインの光や月の明かりが美しい。本物の犬を撃退するおもちゃの犬やバケツが楽しい。

冒頭から雨で薄汚れてしまっている時点でかわいそうに感じるのだが、終盤では家にたどり着くも自分の寝床には新しい人形が横たわっていた。捨てられたと思いこみ、家を飛び出す人形。涙をポロポロとこぼしながら嵐で更にドロドロになる姿がいたたまれない。

翌朝、水面がキラキラと光る川辺でクタクタになった人形を見つける女の子。走り出すラストシーン、締めくくりが素晴らしい。女の子の愛が人形に伝わりますように。
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