いずぼぺ

バトル・オブ・ワルシャワ 名もなき英雄のいずぼぺのレビュー・感想・評価

3.2
1944年8月1日。ポーランド🇵🇱ワルシャワで起こったこと。
1939年9月1日ドイツがポーランドに侵攻してから、この国は国家としての主権を失い戦場となった。旧ソ連とドイツに領土を分割され
た。そして他国の政治と戦況に振り回される。
本作は祖国を自国民の手に取り返そうと立ち上がるポーランド亡命政府の視点から描かれる。1944年当時、ロンドンにはスウェーデン王家なども亡命していたと記憶する。ナチスドイツにより廃墟と化したヨーロッパ大陸から逃れた人々や思惑でロンドンは人間も情報もごった返していただろう。 
ポーランドからすれば1944年、周囲は全て敵だ。東は赤軍、西はナチス。南も赤軍。どこもかしこも戦場だ。自国のためではない戦争の。あちらもこちらも「援軍」を匂わすだけ。孤立無援。しびれを切らせて迎えた1944年8月。ワルシャワは蜂起した。
 当時の外交関係はとかく複雑だ。何度解説を読んでも理解しきれない。はっきりとわかるのはポーランドがソ連にも連合国にも裏切られたことだ。
本作のラストは祖国奪還への希望に向けて市街戦へと走り出すワルシャワ市民の映像で終わっている。この蜂起が悲劇の結末で終わることも知らずに。
 今年3月のウクライナ侵攻が始まってすぐにポーランドはウクライナ支援にいち早く動き出した記憶がある。かなり明確な意志を表明していた。その時はわからなかったが、ポーランド🇵🇱がこの80年近く戦い続けてきたことがそうさせていたのだと今は感じている。
 映画としては???なシーンも多いし、筋もわかりにくいんだけどワルシャワ蜂起について調べてみるきっかけにはなった。
 あ、評価できる点!英語、ドイツ語、ポーランド語、ロシア語とちゃんとそれぞれが使い分けてたのはいいと思う!
154-80