もとまち

闇動画24のもとまちのレビュー・感想・評価

闇動画24(2020年製作の映画)
3.6
『パチンコ店』
拾い上げたパチンコ玉を床に落とす→タイトル・インがキメキメ過ぎて良い。パチンコ屋の二階、事務所ってこんな感じなんだーって普通に興味深かったし、がらんとした空間の物寂しさ、ベランダから見える広大なスケールの駐車場も最高だった。なので、トイレの小ぢんまりしたスペースで怪異が終わってしまうのは些か勿体ない。不倫の復讐とかいう昼ドラ展開も付け足し感満載で、適当にやるくらいならシンプルでいいのにと思った。

『廃墟ドッキリ』
ザ・怪談。最後に血まみれのナオトが現れるのは即物的過ぎるというか、安っぽいゾンビみたいなメイクで拍子抜け。そんなあからさまにしなくても、生前の姿を保ったまま亡霊のようにスウッと通り過ぎていくだけで十分なのではないか。ラストの切り方がちょっと切ない余韻あって好きです。

『別荘』
別荘を探索する女子大生二人のはしゃぎっぷりがスゲー楽しそうで、こっちもワクワクしてしまった。実際ベランダに出ればオーシャンビューが一望できるしなかなか良い場所。しかし、額縁の裏を覗いた瞬間からは楽しい旅行も終了。恐怖の一夜が始まる。狭い別荘内を行ったり来たり、一階と二階のシームレスな繋がりなど、過去作で扱われてきた空間演出力が最大限に発揮されていて、緊迫感の醸成が半端ない。夕暮れの海、ベランダの薄闇、階段の曲がり角...「それ」がどこから出てくるのか、予測のつかない恐怖。友人からの電話に出て以降は、流石にオチが読め過ぎるし展開もグッダグダでガッカリだったが、勢い上等なラストがこれまた素晴らしい。アメリカンな扉の勢いが百点満点。

正統派のホラー短編ばかりでかなり面白かった。ただ、恐怖演出自体は過去作の焼き直しばかりで目新しさは薄い。
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