YYamada

モールスのYYamadaのレビュー・感想・評価

モールス(2010年製作の映画)
4.0
【ヴァンパイア映画のススメ】
『モールス』(2010)

◆本作のポジショニング
 人類 →→ (恋心) ←← ヴァンパイア

〈見処〉
①リメイクも名作!甘酸っぱさと
 残酷さが同居するヴァンパイア・ラブ
・『モールス』(原題: Let Me In)は、2010年の恋愛ホラー。
・本作の舞台は、1980年代のニューメキシコ州ロスアラモス。イジメにあい孤独な12歳の少年オーウェンは、隣室に越してきたばかりの少女アビーと出会う。
・オーウェンは、自分と同じように孤独を抱えるアビーのミステリアスな魅力に惹かれ、壁越しにモールス信号で合図を送りあうような仲になる。しかし、時を同じくして町では、残酷な連続猟奇殺人事件が起きていた…(eiga.comより抜粋)。
・本作は、スウェーデン製の傑作ホラー『ぼくのエリ 200歳の少女』(2008 )を、「クローバーフィールド HAKAISHA」のマット・リーブス監督がリメイク。主演のクロエ・モレッツは、本作と、同年に公開された『キック・アス』にて、エンパイア賞最優秀新人賞、MTVムービー・アワードブレイクアウト・スター賞などを受賞し、「最も影響力のあるティーン」として、ブレイクするきっかけとなった。

②マット・リーヴス
・本作の監督マット・リーブスは、42歳の時に監督した、長篇第二作目『クローバーフィールド/HAKAISHA』にて、脚光を浴び、本作の監督と脚本に抜擢された遅咲きのサスペンス監督。
・リーブスが手掛けた、幻想と残酷さが同居する本作は、スティーヴン・キングも絶賛したほどの完成度を誇り、一躍人気監督に。
・以降は『猿の惑星: 新世紀』 (2014)、
『猿の惑星: 聖戦記』 (2017)と快進撃ぐ続き、2022年には超大作『ザ・バットマン』 が控えている。

③結び…本作の見処は?
恋しさと せつなさと 心強さと残酷さが同居する傑作作品。
◎: クロエ・モレッツによる可愛さと冷酷さの両面が際立つ。スターになるべくしてなったことがわかる作品。
◎: マット・リーヴス監督による、淡々とした作風のなかにちりばめられた狂気の描写は、ヴァンパイア映画のなかで上位に入るほどの怖さを感じる。とくに、終盤の室内プールのシーンは、内面・外面ともにインパクトを残す、今までに見たことがないような演出がされている。
○: 本作の原題「 Let Me In(入れてちょうだい)」が現すとおり、多くの映画では、ヴァンパイアは家人が部屋に招き入れなければ入室出来ないが、本作では、部屋に勝手に入ってしまったアビーに対する影響が描写されている。ヴァンパイア映画では初?
○: ラストシーンのあとの2人は、どうなるのだろうか?少女アビーと同居する男性の人生との対比を考えずにはいられない。

リメイク前のスウェーデン製ホラー『ぼくのエリ 200歳の少女』(2008 )も傑作の誉れが高いので、いつか鑑賞してみたい。

「ヴァンパイア映画のススメ」は次の2作でひとまず完走としたい。
YYamada

YYamada