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実録三億円事件 時効成立のbrianのレビュー・感想・評価

実録三億円事件 時効成立(1975年製作の映画)
3.9
1968年(昭和43年) 12月10日に起きた三億円事件をヒントに架空の犯人像を描いたサスペンスタッチの"キワモノ"作品。

事件が時効する日はテレビのニュースで大々的に放送されたのを覚えている。
計画的な犯行を単独でいとも簡単に行なうことができるのか、あるいはバックに大きな闇の組織があるのかなど色々と謎めいている。
銀行員が警察手帳の提示要求を怠った、盗まれた紙幣の番号を一部しか控えなかったなど度重なるミスにより事件を迷宮入りしてしまった。いま、犯人はどうしているのだろうか。生きているのだろうか。昭和、平成、令和と歳月が流れて風化しつつある事件だが、金銭に関わる凶悪で卑劣な事件は後を絶たない。

岡田裕介はギャンブル好きなやさ男を好演。当時の東映社長、岡田茂の息子である。
小川眞由美はそんなやさ男を支える歳上の女を熱演。強かでありながらも苦悩や悲哀を体全体で表現。
金子信雄は実在の刑事・平塚八兵衛をモデルに執念で犯人を追い詰めていく姿に釘付けとなる。
監督は「網走番外地」シリーズや東映のエログロ路線に乗っかって数々の作品を手がけた「輝男ちゃん」こと鬼才・石井輝男。
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