山田

ポゼッサーの山田のレビュー・感想・評価

ポゼッサー(2020年製作の映画)
4.0
キャッチーな設定の王道SFかと思いきや、中々振り切れた一作。ドライで突き放したタッチ、二重三重の支配関係によって人間性が失われていく展開はDisturbedとも形容すべきか。
内面世界の大胆な描き方や映画全体のルックからはレフンの『オンリー・ゴッド』を想起した。余りにも偉大な父、デヴィッド・クローネンバーグからの影響は息子のブランドンは間違いなく受けているだろうし、人体破壊描写へのフェティッシュなまでの凝り様は、流石に血は争えないといった感じだった。かといってボディホラーでもなかったし、親の七光とは容易に言わせない独自の作家性が感じられた。新作が楽しみ。
山田

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