わしかずまの中の人

ファーザーのわしかずまの中の人のレビュー・感想・評価

ファーザー(2020年製作の映画)
4.0

【あらすじ】
81歳のアンソニーは、認知症の傾向が出始めていた。
娘のアンはそんな父を心配し、ヘルパーをつけようとしたが、家から追い出してしまう。
その間にもアンソニーの病状は悪化し、現実と幻想の区別がつかなくなっていく。

【事前情報】
第93回アカデミー賞で作品賞を含む6部門にノミネート。
このうち主演男優賞(アンソニー・ホプキンス)と脚色賞を受賞。
アンソニー・ホプキンスは羊たちの沈黙以来、二度目の主演男優賞受賞。



👇以下、ネタバレ含みます👇
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【所感】
何という存在感。
主人公の名はアンソニー。
演じる役者はアンソニー・ホプキンス。
さらに生年月日まで同じという設定で、アンソニーホプキンス本人のドキュメンタリーではないかと錯覚させられる。

物語自体は淡々と進んでいくのだけど、むしろそのおかげで、アンソニー・ホプキンスの演技やアンソニーが見る幻想の演出が強調されている気がします😌
羊たちの沈黙のレクター博士のイメージがどうしても強いのだけど、そのイメージを残しつつ、今作のアンソニーを上手く演じきっているのは流石👏

わしのおじいちゃんは脳梗塞で倒れ、幸い後遺症無く回復したみたいなのだけど、その後とても攻撃的な性格に。
妄想も激しくなり、「わしは命を狙われている。」「このお茶の中には毒が入っている。」
と、中々物騒な事を日常的に発言するようになりました。
最終的には躁鬱病と診断され、施設に入ったのですが、今作のアンソニーと重なる部分があり、この出来事を重ねながら鑑賞していました。

【まとめ】
実際に自分が認知症にならないと分からないけど、かなりリアルなのではないでしょうか?
アンソニー・ホプキンス本人は、演じてて途中から訳分からんくなったりしなかったんだろうか🤔
とにかく、80歳過ぎても怪物っぷりは健在で、名優である事を改めて知らしめた作品でした👍