観ている自分も認知症になったのかと錯覚するほどのシーケンス繋ぎが素晴らしかったです。頑張って辻褄を合わせようとするけど脳の処理が追いつかない。
正直現場で重度の方も見てきているので自分にとっては日常を映しているかのような映画にも捉えられました。
初期の症状から丁寧に演じていて詳しくないと出来ないことなので感動しました。
進行していく認知症の症状から疾患名を予測したり(認知症にも疾患毎に症状が異なる場合がある)、わかるわかる…と共感しながらも観れるし見応えがあった。
実際にこの思考整理をしているかはわからないけれど、現実と過去が混合してこう繋がっているから、今のような訴えに繋がるんだなと思うと対象を理解しやすくなった。
家族や支える側の努力がひしひしと伝わってきて、病院や施設に入所するにしても多様な経過を辿ってきているんだよな…としみじみ思いました。
認知症や精神疾患って周りに話しにくいような風潮があるように感じますが、決して他人事ではなく誰にでも起こりうる出来事だよなって思いました。
第3者としてこの親子を見ている旦那さんの感情が1番リアルな気がします。深い意味はありません。
この映画を機に認知症や精神疾患に対する見方が変わるといいなって思います。支える側、支えられる側どちらの視点でも観れて面白かったです。
そこらのホラー映画より恐い、サスペンスのようだったともレビューで書かれてる方が多く見受けられましたが、わかるわかる…という気持ちと、大丈夫別に当たり前のことで恐くないよという気持ちでなんとも言い難い感情が芽生えてます(伝われ)。
理解できないことを理解できるように作品にしてるの凄く好きでした。