レネリー

ビバリウムのレネリーのレビュー・感想・評価

ビバリウム(2019年製作の映画)
4.5
Blu-rayにて鑑賞。

劇場で見逃してしまったことに後悔した一本。
恐らく、現代には適さない作品だということだけ言っておこう。
低賃金でも、小さくてもいいから幸せな生活を求めた若いカップルが低コストで入手できるマイホームを手に入れる為に不動産屋に行くが、自宅近郊から抜け出せなくなり『子供を育てろ』と謎の子供を押しつけられ理不尽かつ不条理な奇渦に巻き込まれる。
なるほど、これは我々が『当たり前なこと』と考えている結婚や子育てに対する思案を摩訶不思議な空間と前衛的な演出で描いているのだなと感じた。
脱出する為に穴掘りを毎日日が暮れるまで続ける夫、これは死に急ぎながら黙々と仕事を続ける現代社会の旦那を描いている。
一方で育児に専念する妻、やがて妻が役目とはなにかと疑問を抱く様になる。
結婚して子供を作るという当たり前なはずがない人生を当たり前と脳内で認識している我々に対するメッセージを全面的に押し出すメタファー調に描くのではなく、比喩を駆使した我々に対して結婚をした2人に対する人生観の問いかけなのかもしれない。
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