さわら

アンダードッグ 前編のさわらのレビュー・感想・評価

アンダードッグ 前編(2020年製作の映画)
4.5
前篇・後篇一気見した。
自分の弱さや情けなさに泣きたくなることもあるけど、それが戦わない理由にはならない。熱いボクシングドラマに涙腺決壊は不可避だった。

第4の男・二ノ宮隆太郎が発する「男のロマンだよ」という言葉に体現される映画と思いきや、女性たちのドラマも素晴らしい。瀧内公美・熊谷真実(御年60!)・水川あさみ・冨手麻妙・萩原みのり。言葉少ないながら、しっかりキャラ立ちしており抜かりない脚本に舌を巻く。
脚本といえば、前篇に北村匠海の素性をほぼ語らず、後篇に勝地涼を切る英断をなんなりと成し遂げるのもすごいなと思った。

特に後篇の前半なんかは、こんなデスロードあるかっていう展開で精神摩耗するのだけど、結局ラストの戦いに高揚して終わる。ほんと勝ち負けなんてどうでもよくなって、観ていてよくわからなくなるから不思議な体験だった。
本作、ABEMAオリジナルとのこと。日本映画の懐はまだまだ深いなと。