エイデン

ソウル・コンタクトのエイデンのレビュー・感想・評価

ソウル・コンタクト(2018年製作の映画)
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幼い少女カティアは、1人で雪深い森をさまよううちに使われなくなった屋敷を発見し、窓からそっと中を覗き見る
中には見知らぬ父子が何かの話をしていたが、突然 父親が銃で自殺を遂げてしまう
飛び散った血を浴びた息子は降り積もった枯れ葉の中にうずくまると、およそ人とは思えない動きでカティアの前に立ちはだかるのだった
それから月日は流れ、成長したカティアは幽霊が見え会話ができるという特異な能力を身に付けていた
能力のせいで人目を避け荒れた日々を送るカティアは、冴えない風貌の中年男ヴァシリー、正装の紳士サン・サニッチ、若い女性ベラという3人の幽霊に付き纏われていた
いつしか酔うことで幽霊が見えなくなることに気が付き、煩わしさから解放されるために酒が手放せなくなった彼女を、幽霊達は心配して見守っていた
ある日、引き受けた墓荒らしの仕事を依頼人に騙されて失敗したカティアは、酒を買って路地を歩いていたところ、若い女性の幽霊に遭遇する
幽霊は言葉を交わさなかったが、カティアは急に野良犬に追い立てられ、逃げた先であの幽霊と思しき女性の遺体を発見してしまう
仕方なく警察を呼び、アントン刑事に対応をしてもらうが逆に怪しまれてしまい、後からやって来たカプコフ警部に高圧的な言葉を投げかけられるも、ようやくカティアは解放されるのだった
自宅に戻ったカティアは憔悴し、心配する3人の幽霊にも消えろと当たり散らす
するとそこに双子の姉ラリッサが現れる
しかしカティアは心配して訪れた彼女を冷たくあしらう
ラリッサは幽霊が見えるというカティアを信じず、両親が死んだショックで精神を病んだものと考えており、過去それが原因で精神病院に入れられたこともあった
ヒステリックに怒りをぶつけながらラリッサを追い出したカティアだったが、直後 部屋の中でラリッサの姿を見つける
彼女は様子がおかしく母から貰ったスカーフで自らの首を締めると、それに合わせて周囲が突然 血まみれになっていた
何かに引きずられるようにラリッサは外へと引きずられて行き、慌てて追いかけたカティアが扉を開くと、そこには何故かカプコフやアントンら警察が立っていた
彼らはラリッサが消えたとカティア自身が通報していたと言い、いつの間にか夜が明けていたことに気が付く
当然のようにカティアは疑われ、彼女が処方された向精神薬を飲んでいないことから、カプコフは妄想であると決めつける
誰にも信じてもらえないカティアは、1人でも捜索に出ようと準備をするが、そこで幼少期に行ったあの屋敷にラリッサが囚われている幻覚を見る
姉が何者かによって拉致されたと確信したカティアは、現実と幻想を行き交いながら真相を探っていくが・・



幽霊が見える主人公が不可思議な事件に巻き込まれていくロシア産オカルト・サスペンス

何か『シックス・センス』的なノリのようにも感じるものの、現実と主人公の霊的なビジョンが非常に曖昧に作られていて、ストーリー自体を追うのは割と疲れる印象
ミステリーのような、謎を紐解いていく楽しさを感じる暇もあまり与えられない

作風としても陰鬱な雰囲気が付き纏っていて、そういう意味では主人公の苦悩に寄り添った内容ではある
ロシアは文学からブレないな

謎が解けていく爽快感よりも陰鬱さが勝っている気はするし、『シックス・センス』のようなどんでん返しも特にないけど、ハリウッドとは違った味わいに加えて、時折 ビビッと来るクールな構図があったりもするのでそんなに嫌いになれない作品なので、ぜひ試してみよう
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