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なぜ君は総理大臣になれないのかのotaのレビュー・感想・評価

4.0
暫く四国に滞在しているのでどうせなら四国に纏わる作品を観ようと思い調べて鑑賞。

総務省の官僚だった小川淳也氏が32歳当時、一念発起し初出馬したところから2020年までの17年間、政治家としての苦悩を記録したドキュメンタリー。政策というよりは政局にフォーカスされており、イデオロギーに関係なく楽しめた。

政治家は報道カメラを通した畏まった姿しか見たことがなかったので、家族と過ごしていたり、政党が分裂してどちらに所属するかで悩んだり後悔したりする様子は新鮮だった。

終盤の香川一区を舞台にした選挙活動の部分は特に面白かった。小川氏が家族総出のドブ板選挙活動をしている一方、対抗馬の自民党平井氏は地盤ガチガチ&地元メディアを掌握しており、あまりの格差に笑ってしまった(祖父が元郵政大臣で父は元労働大臣、母は四国新聞社社主、弟は同社代表取締役)。路上で有権者に罵倒されたり、所属政党について詰問されたりするシーンは見ていてヒリヒリしたし、初出馬の頃はちっちゃかった娘さんたちが「娘です」という襷をかけて選挙活動をサポートしている姿にグッときてしまった。そしていい人は総理大臣になれないんだろうなあというなんだかやるせない結論に至った。

監督の大島新氏は大島渚の息子だと知りびっくり。この作品がクドカンの離婚しようよに影響を与えたんだろうなと思い調べたらやっぱりそうだった。ドキュメンタリーおもろい。
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