ChikaKoda

君は永遠にそいつらより若いのChikaKodaのレビュー・感想・評価

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色んな痛みの当事者と、その痛みの存在を知るからこそ、全てを同じようには感じ取れないことに苦しさともどかしさを感じてしまう非当事者の話。特に、フォーカスされることが少ない非当事者にあたたかい眼差しを向ける映画。

非当事者であるホリガイさんの気持ちが痛いほどよくわかって、重ねて観る。
いっそ当事者になれたらなとか不謹慎にも思ったりするもんな。だけど、知らないことと無関心は少し違うし、全て知っていなきゃ寄り添えない/寄り添っていけないわけではないのだから。

苦しいことや心の傷は相対化できないから、みんな可哀想だとも言えるしみんな可哀想じゃないとも言える。
ある意味全員が当事者かもしれないしやっぱりどう頑張っても当事者にはなれないのかもしれない。
そして何より、いつ何時自分が当事者になるかだってわからない。

「君は永遠にそいつらより若い」は、どうやったら無力な非当事者の自分が、「君」にできる限り寄り添い励まし手を差し伸べることができるかを、精一杯考え尽くした結果出てきた、精一杯の言葉なのだとわかってほろり。

生きづらい世の中ですが、出来るだけ色んな人と色んなものを分かち合って、優しくありたいものです(本当の優しさには怒りもシンパシーも寄り添いも声かけも行動も全部含まれると思っている)。当事者としても非当事者としても。