悠

国葬の悠のレビュー・感想・評価

国葬(2019年製作の映画)
2.5
2021年一発目がこれでいいのか。
スターリン死去に伴う国葬の際に撮られた映像のアーカイブ。
映画というより純然たるドキュメンタリー。
元々プロパガンダ用に撮られた物らしく、いかにスターリンがソビエト連邦中から慕われ偉大だったかを説く演説が多い。
淡々と見るには長すぎて寝ます。
ただ、秘密の国ソビエト連邦の実際の映像が見れると言う点に於いてはとても興味深い。
何が史料として残るか分からないのが良いですね。

この後ご存知の通りスターリン批判がおき、レーニン廟から遺体は出されるわけですが、2時間半にわたって延々とスターリンの素晴らしさを讃えた映像を見せておいて最後にテロップで、粛清した事実、その人数、末路等を記したのは演出の妙だと思いました。
あれで正気に戻される。
スターリンは決して英雄などではないのだ、と。
同時に映像ってのは猛毒になり得るってのも改めて感じた。

これを見る前に「スターリンの葬送狂騒曲」を観ると楽しめると思います。
悠