GreenT

マイ・ニューヨーク・ダイアリーのGreenTのレビュー・感想・評価

3.0
作家になることを夢見る女の子のお話しです。

舞台は1995年のニューヨークなんですけど、主人公のジョアンナは、大学時代の友達がニューヨークに引っ越したので、そこに何日か訪ねて行ったのですが、作家になりたいならここに住むべき!とインスピレーションが湧き、カリフォルニアに帰らないことに決める。

ボーイフレンドもいたのに・・・。若い頃って、こういうことできちゃいますよね。

ニューヨークで出版エージェンシーのアシスタントの仕事を見つけ、マーガレットという、J.D. サリンジャーのエージェントの下で働くことになるが・・・。

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』で腋毛ぼうぼうのマンソンガールを好演した、アンディ・マクドゥエルの娘マーガレット・クエリーの主演映画です。この娘も、タランティーノ・マジックですっごい良く見えたけど、あれ以降パッとしませんね。

J.D.サリンジャーのエージェント、マーガレットを演じるのはシガニー・ウィーヴァーで、この人は『エイリアン』のリプリー以外印象に残るキャラがないんですけど、「あ、普通の役もできるんだ」って思いました。

ジョアンナのニューヨークでのボーイフレンドがダグラス・ブースだったのはビックリした。この人はボーイ・ジョージの伝記映画『Worried about the Boy』でボーイ・ジョージ、モトリー・クルーの伝記映画『ダート』でニッキー・シックスを演じ、両方ともすっごい好きでフォローしているのですが、意外とつまらない映画にしか出てないんですよね~。今回も「主人公の女の子の冴えないボーイフレンド」みたいな、こういうのばっかり。

原作を書いた人が主人公なので、彼女が作家を目指し始めた若い頃の回想録的な映画なんですけど、本当に「この時こうだったんだ」ってお話しだけで、特にメッセージも何もない。

ただ、みんな大学の時は作家を夢て見ているけど、大都会に出てきて仕事を見つけると仕事が中心になってしまう。ジョアンナも、エージェントとして人の作品を読み、それを出版社に売る才能があるのでこの世界でも成功しそうなんだけど、敢えてそれを辞めてでも作家になる決心をする、「夢を諦めるな」ってのがメッセージと言えばメッセージですかね。

1995年のお話しなので、オールド・スクールなマーガレットが「コンピューターを導入しない」と言ったり、「女が作家になるなんて」みたいのがあったりもあるのですが、「ジョアンナの経験」の一部って感じにしか描かれない。

J.D.サリンジャーへのファンレターは、ジョアンナが読んで、定型の返事を出すが、サリンジャーへは届けられないというのも、ストーリー中何度も語られるのですが、それも「ジョアンナの体験を描く」以上も以下でもない。

ただ、ジョン・レノンの事件があったから、ヤバい人がサリンジャーにファンレター送ってたのに「知らなかった」ってなると色々困るので、ファンレターをちゃんと読むのはアシスタントの仕事、っていうのに「へえ~」って思った。

あとは登場人物の人間模様とか、まあ面白いっちゃあ面白いけど、それだけという印象でした。
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