素晴らしい
牧場にいる母豚と生まれたばかりの小豚たちを映したドキュメンタリー映画。
全編モノクロでナレーションなし音楽もなしで90分を走り抜ける革新的で美しい映画でした!
オープニングカットからもう凄いです。母豚グンダの出産から始まり、納屋のなかにいる小豚たちが乳を飲んでいるシーンへ。
それから鶏たち。一本足のニワトリが地面を力強く蹴ります。
大量の牛たちが駆け抜けてくる。牛に集るハエ。
嵐が来る
グンダと小豚たちの格闘。
そして小豚は人間に…。
とても感動しました。
映像も素晴らしいですが、この映画は音響も凄いです!!!
マイクをあらゆる場所に置き、自然音をすべて取り込む。
風、鳥のさえずり、車のエンジン音、キツツキの木を突く音、雨、雷、茂みの音、足音。
それを映画館という立体音響の部屋で感じられるのは素晴らしい体験でした。
動物たちと同等の目線で主観的に映し出していて、自然界の豊かさを存分に感じました。
監督のヴィクトル・コサコフスキーはインタビューでナレーションや音楽を排他し、モノクロにしたのは印象付けやプロパガンダにせず、自然界と密着して撮りたかったと話しています。
これはメッセージもなく、動物たちの日常をスケッチのように描いたいままでにないアート映画です。
この映画を劇場で観れて幸せです。
ぜひご覧になってください!!!