テレビドラマ「相棒」の劇場版作品2作目。警視庁舎内で発生した警察幹部人質籠城事件を皮切りに、警視庁公安部の裏にいる「影の管理官」の謎を、杉下右京と神戸尊のコンビが解き明かす。
劇場版1作目がアクション寄りだったのに対し、本作はサスペンス寄り。杉下右京&神戸尊コンビと警視庁・警察庁上層部との対峙が本筋となりますが、上層部が必ずしも悪ではなく、作中で描かれているとおり「絶対的な正義」と「大局的な正義」のぶつかり合いとしているのが面白いです。あくまで論理的に正しいか正しくないかを考える杉下右京の魅力と、大局的で老獪な小野田官房長の対比が、印象的でした。(このあたりが「踊る大捜査線」をはじめとする90年代刑事ドラマから進化したところだと思う。)
本作の見どころは、やはり小野田官房長。敵でも味方でもないが、お互いを信頼し合っている関係が、言葉ではなく物語で語られるのが素晴らしいです。それ故にラストシーンは切ない。官房長おおおぉぉぉ!!
テレビドラマの延長ではありますが、きちんと熱いシーンも構成された作品でした。