ネット上で漏れ聞く評判から期待値ゼロで観た。想像した以上には酷くなく予想通りといった感じの内容ではあった。しかしキャストは決して安くない俳優陣を使ってるのに、何故失敗したのか。
どっちつかずで何がしたいのかよく分からなかった。政治風刺なら政治風刺、コメディならコメディ、パロディならパロディとハッキリ割り切った方が良いと思う。下手に色々取り入れてひとまとめにしようとしているが、失敗してツギハギのボロ当ての様な映画になっている。
怪獣映画というのは概ね縦横無尽に暴れまわる怪獣を食い止める為の時間との戦いになり、そこに緊迫感が生まれるだに、本作は大怪獣の「あとしまつ」というタイトルの通り、怪獣が既に死んでいる訳で、ここからどう話を引っ張って行くのかと思ったが、かなり下品な下ネタを延々と挟んでいるだけで、「後始末」ならではの魅せ方をしようとは全然考えてないんだなという事は伝わった。
しかしギャグの程度がとにかく低い。今更蓮舫議員のパロディというのも古過ぎるし、オナラだのウ○コだのキノコだのまるで小学生みてえなセンス。子供向け意識したのか？とも一瞬思ったが、しかしそれにしては中途半端にシン・ゴジラパクったような要素もチラホラ出てくるし、子供向け映画で主人公の不倫キスとかしないだろう。脚本も三木聡監督が書いてるらしいが、誰も止める人いなかったのかなあ。純粋なストーリー部分でもごちゃごちゃした前半のやり取りが作品に活かされてなくて、ただのノイズにしかなっていない。
松竹と東映が初めて共同制作した作品がこれという話だけど、まあこれに懲りずに頑張って欲しい。
