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望みのkazataのレビュー・感想・評価

望み(2020年製作の映画)
2.0
雫井脩介の原作小説は大好きだけど、堤幸彦監督が大嫌いだから見るのを躊躇していた本作……

ってことでようやく見たわけですが、う〜ん、、、高校生の息子が殺人事件の"加害者として生きていることを望んでいる母"vs"被害者として殺されていることを望んでいる父"の葛藤が泣ける物語をサラッと雑にまとめやがって!(怒)……という感想でしょうか。
(後追い説明的な回想シーンの雑さね…例えば"全身刺し傷だらけの件"とかちゃんと描写しないと!)
(大事なはずの"兄の無罪を願った妹の後悔&懺悔シーン"もちゃんと描かないと!…それと同じことが兄の同級生たちの件でも言えるけど!!)

ってか、堤監督ってやっぱり映画的なセンスが圧倒的に不足していると思うんだけど……例えば食事シーンひとつをとってみても効果的に描くなら冒頭の食卓メニューはハンバーグにすべきでしょ!
(息子がハンバーグを食べかけて食事中断の流れ)
で、次に母が息子のために久々に料理をするシーンでちゃんとハンバーグを作ろうと肉を捏ねるところを映す!
(食べてもらえないハンバーグって意味合いだけど…そもそも何を作っているのかちゃんと映すこともしない)
そういったフリを受けてこそ、エピローグシーンの妹のお弁当のおかずがハンバーグであることが生きるわけで!
(そのハンバーグが明らかに冷凍食品っぽくてそもそも興醒めという)

キャストについては、岡田健史くんは(他の役者陣と比べても)演技に不安な面があるから下手にしゃべらせない方がいい(そもそも論としてキャラのイメージと違う)のと、松田翔太に訪ねて来られたら"イキガミ”を届けられると錯覚しちゃうから!笑
(ってか肥えた三浦貴大に一体何があったんだ!?笑)


(以下、ラストに関して触れます↓)


演出面での不平不満はまだまだあるけど、、、映画のまとめ方として「結果として被害者家族だったから救われてめでたしめでたし…」ってことでもないでしょ!
(どっちの"望み"も悲しくて辛いし、そもそも一度村八分にされた側を再び同じように迎え入れてくれるような社会になっていない気がするわけで=一度流れたデマだって簡単に消えないはずだし……その辺は『許された子どもたち』の方が現実的だと思う)

(その上で、個人的には加害者家族の人権&暮らしもちゃんと守られる=受け入れられる社会であるべきだと思うんだけども…)
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