バナナ猫

ヤンチャな兄 どっか行けのバナナ猫のレビュー・感想・評価

ヤンチャな兄 どっか行け(2018年製作の映画)
4.3
妹が描く美しい世界が美しいままであるように、辛い現実に気づかないように、と自らが盾になってシーミョがシーミョらしく振る舞える日常を守り続けてくれていたのはシーミョが「毎日悪戯ばかり仕掛けてくるバカで迷惑ばかりかけてきてどうしようもない兄」だと思っていたシーフンだった。

「お母さんには再婚相手、シーミョにはお母さん、お父さんには誰もいなくなってしまう」と言って大事な妹と遠く離れて父と暮らすことを選び、「シーミョの兄として生まれたことは人生で一番幸せなこと」と笑みを浮かべるシーフンの存在こそが暗闇を怖がるシーミョの行先を照し続ける光なのかもしれないと思った次の瞬間エンディングで「一緒に大人になる夢」「あなたは私の生きる力」だなんて歌われるものだからめちゃめちゃ泣いてしまった。
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