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ハンディキャップ・キャンプ: 障がい者運動の夜明けのsaskiaのレビュー・感想・評価

4.0
ハンディキャッパーのキャンプと障害者運動のお話。
初めて知ったのだが、ハンディキャッパーは障害の有無ではなく、暮らしの中にハンディがあり生きにくい人、という意味らしい。

そもそも日本の障害者って言い方やだよね。身体障害者が身障って略されるのもどうなんだろう。
でもそれは私が中途障害者だから
感じるようになっただけで、今でも健常者だったら考えもしなかっただろうと思うと、完全に他人事だったなぁ。
自分が明日、身体が動かせなくなるかもしれないなんて夢にも思わなかった。
いつどこでどんなことがきっかけで障害のある当事者になるかなんてわからないのに。
そんなことを考えるきっかけになるいい作品だと思う。

「世界は障害者の死を望み
自分たちはお荷物だ」

これは考えちゃうよね。
人に頼らないと生きていけない辛さ。
自分だけでは生活が成り立たない。
生きてる意味がない。
でも人に頼らないでひとりで生きてる人なんていない。
障害の有無に限らず、必ず誰かの助けがあるから人は生きていけるのだ。

キャンプではお互いがお互いを認め合い、今まで抑えつけられて経験できなかったことを経験できたりしてすごく楽しそうだった。
本作に出てくる障害者の人たちは、みんな明るくて、障害をものともしない生き方で憧れる。やりたいことはなんでもやる。生活に制限をかけず、恐れない。

性病になって喜んでる女性とかヒッピーで面白い。良い生き方だわ。見習おう。

黒人男性と車椅子の人々の扱われ方は同じだったらしい。

障害者にだって人権はあるし、健常者と同じで、恋をしたり、友達と遊んだり、
おクスリキメたり、車椅子ユーザーでもスポーツだってできる。やりたい気持ちさえあれば限度はあるけど大抵のことはできるのかもってパラリンピックを見てて思った。

障害者運動で階段を一生懸命登る人たちの姿には胸が熱くなった。
私もやれば何でもできるかもって勇気をもらえた。

とにかく健常者も障害者も共存できる優しい世界になりますように。

おすすめです。


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2021/№703◡̈*✧🌛
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