3300本め。
君はジミヘンを純粋な黒人だと思っていなかったか?
昨夜は島の悪友お勧めのコレ。前から気にはなってたのだけど、確かにアメリカの音楽と文化の歴史観がひっくり返る一本だった。
いまんとこ有料だけど、音楽好きなら必見。
リンク・レイ、チャーリー・パトン、ミルドレッド・ベイリー、ハウリング・ウルフ、ロビー・ロバートソン、ジェシ・エド・ディヴィス、ネヴィル・ブラザーズ、スティーヴィー・サラス…ランディ・カスティーヨやロバート・トゥルージロは?
いや、まてよ…プリンスは?
彼らが何者なのか考えたことが無かった…と言うより、単純に、黒人かメキシカンだと思い込んでいなかったか?
そもそもアフリカから連れてこられた黒人奴隷のほとんどは男性であり、その末裔たちのほとんどは、母方が先住民なのだ。そう言われてみれば…
映画タイトルでもあるリンク・レイの「ランブル」は、パワーコード、ディストーションサウンドを発明、ハードロックの原型となり、その特異性と激しさを危険視され、歌詞のないインスト曲なのに放送禁止にされた。
Led Zeppelinも影響うけた、パトンとウルフ。ローリング・ストーンズ、ビートルズが愛したジェシ・エド・ディヴィス。そして多くの音楽家たちが愛するロビー・ロバートソンとザ・バンド。
Blues, Rock, Jazz…その創成期にどれほどネイティブ・アメリカンの血と文化が貢献していたか。どれだけ意図的に隠されてきたのか。そして、僕らがなぜBlues, Rock, Jazzを ”黒人”が作ったと思い込んでしまっていたのか。
ヨーロッパからの征服者たち、アフリカから連れてこられた黒人奴隷たち、その前にあの土地に住んでいた原住民たち。南米ブラジルやキューバの音楽がそうであるように、北米大陸の音楽も、僕らが思っている以上に混血なのだ。そして南米と違って、ルーツの半分が意図的に隠されていた。
“出自に誇りを持ち、しかし口外するな”
ネイティブ・アメリカンのチャントに特有の四つ打ちリズム。純潔なら土地の権利を認められるというが、権利を主張すると射殺される。ゴースト・ダンスの惨劇。
インディアンは酷い目にばかり会う…黒人奴隷以下だった。そして混血化した彼らは先住民保留地に送られないよう、”黒人”として生きた。ニューオーリンズのマルディ・グラはまさに混血の祭。ミュージシャンにありがちなドラッグに絡め取られていく人も多いが、そもそもネイティブ・アメリカンの麻薬摂取率の高さは、彼らを無理やり先祖代々の土地、自然から引き剥がしたアメリカの政策が原因と考えられるだろう。
あらためて音楽の混血による優勢遺伝を感じさせられる、目から鱗の一本でした。そして、あらためて歴史というものは強者の記録として残るものなのだなと思い知らされた。
…しかし、中学の頃にハマったチャーリー・セクストンが見られたのは嬉しかった。老けてもカッコいいな。プロデュースしたスティーヴィー・サラスも昔かなり好きで、何曲かコピーしてた。そしてGotGでも使われていたred boneも!