TITANE／チタンのののネタバレレビュー・内容・結末

幼い頃の交通事故で頭蓋骨にチタンを埋め込まれたアレクシア。それ以来、彼女は車に対して異常な愛を抱くようになった。成長して様々な事情を抱えた彼女は行方不明の男性になりすまし、男性の父親の消防士に保護されて共に生活することとなった……スリラー作品。

「異常な愛の形」を見せられて圧倒されてしまった。
自分の中で上手く咀嚼できていない。

女性性で商売をしていた主人公が女性を殺し、男性性が強く溢れる消防署に潜り込む。
彼女はそこで老いに恐怖する男と擬似親子の関係を育む。
彼は奇妙になっていく姿の彼女を受け入れ、
彼女が命を賭して産んだ異形の子供すらもその手に抱く。

なんだか新たな神話を見ている気分だった。
歪な愛が上手く噛み合って正常な愛の形になっていたのかもしれない。

パワー溢れる癖の強い内容のはずなのに、最終的にはわかりやすい地点へ収まるのが不思議な映画。
この映画がちゃんと評価されている世の中なのがちょっと嬉しい。