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ジョン・ウィック:コンセクエンスのkuuのレビュー・感想・評価

4.0
『ジョン・ウィック コンセクエンス』
映倫区分 R15+
原題 John Wick: Chapter 4
製作年 2023年。上映時間 169分。
キアヌ・リーブスが伝説の殺し屋に扮した大ヒットアクション『ジョン・ウィック』シリーズの第4弾。
共演にはイアン・マクシェーン、ローレンス・フィッシュバーンらおなじみのキャストに加え、グラモン侯爵役でビル・スカルスガルド、ケイン役でドニー・イェン(ピンポンダッシュしたら殺らる)、シマヅ役で真田広之が出演。
前3作に続きチャド・スタエルスキ監督がメガホンをとった(大阪コンチネンタルのゲスト、ジョンにうなずいている役でカメオ出演してる)。
このシリーズは、『ジョン・ウィック』(2014年)が製作されている最中か、その直後に3部作になるはずやったそうやけど、その成功を見て、製作者たちは映画の舞台となる世界観を拡大し続けたかったんやろや。
今作品以外にも、スピンオフには、ジョン・ウィックの世界を象徴する、暗殺者が集うホテルの起源を描くミニ・シリーズドラマ『ザ・コンチネンタル:ジョン・ウィックの世界から』がある。
(一気観してますが、感想は書いとりません)
また、アナ・デ・アルマス主演のスピンオフ映画本家シリーズとは別の世界観とはされてる『Ballerina(原題)』が2024年6月7日に公開が決定したとのこと日本での上映はいつかなぁ。。。

裏社会の掟を破り粛清の包囲網を逃れたジョン・ウィックは、裏社会の頂点に立つ組織・主席連合から自由になるべく立ちあがる。
主席連合の若き高官グラモン侯爵は、これまで聖域としてジョンを守ってきたニューヨークのコンチネンタルホテルを爆破し、ジョンの旧友でもある盲目の暗殺者ケインをジョンのもとへ差し向ける。
そんな中、ジョンが日本の友人シマヅに協力を求めるため、大阪のコンチネンタルホテルに現れる。

"I am the way into the city of woe. I am the way into eternal pain. I am the way to go among the lost. Before me there were no created things but those that last forever— AS! DO! I! Abandon all hope, you who are about to enter here...you are now in the presence of the MOTHERFUCKING KING!"

“我を過ぎる者は 嘆きの街に入る。我を通る者は 永遠の苦しみを味わう。我は滅びの民への入り口。我より前に 創造されしものはない。永遠に 存続するもの以外には。この我もまた永遠なり”
(ダンテの神曲 地獄篇からの引用で始まる。Netflixの和訳より抜粋)。

誰が数えたのか、また、確認は取っとりませんが、ジョン・ウィックは今作品で151人を殺しているそうな。
んでもって、奇特な人がカウントした人数を信用すると、全4作で合計438人を殺したことになる。
(他の人はジョン・ウィックはオリジナル版で77人を殺し、第2部では116人、第3部では94人を殺している)。
とまぁ、こないな人数を殺っちゃってる、イっちゃってる(ハゲのナダル風に)。
そないにバタバタと殺るための、キャラ達が使う武器は数多にある。
シリーズでジョン・ウィックだけでも数多くの武器を使ってる。
ジョン・ウィックを支える銃TTI JW4 Pit Viper(‐タラン・タクティカル・イノベーションズ‐TTIが第4作目のために新たにデザインしたハンドガンで、重量感のあるアルミ合金スライドとキレのあるブローバックで定評があり、ARMY ARMAMENT社から正式ライセンスを取得している。友達にマジので幾らくらいか聞いたら7000ドル位やといってました)をはじめ、書き出したら枚挙に暇がない(割愛します)。
また、致命的な手や足から繰り出される様々な格闘技の知識以外にも、彼は銃や刃物、そして、ジョン・ウィック・フリークならきっと思い出すだろう、鉛筆を使って殺人等々、あ!弓矢や手裏剣、それにヌンチャクもあったなぁ笑。
今作品以前3作目にして、これらの道具は、彼がまさにワンマンアーミーであることをハイテーブルに証明してるのも書くまでもないが。
今作品では、ジョンがパリで銃撃を受け、事態が大きく動く。
今回は、侯爵(ビル・スカルスゴード)の好意で、彼を追う人数を考えると、もっと強力なものが必要だと観てる側も感じる。
彼は、火炎放射器と擬似ミサイルランチャーが一体となったスーパーショットガンという完璧なイコライザー(刃物や銃器など致命的なダメージを与える武器を指す俗語として使われる)を手に入れ、ついに群れに覇を唱えることができる。
ジョンはピストルが大好きやなぁと個人的には感じるし、装填の速いショットガンも愛用しているかな。
後者による大火力は、より恐ろしいメッセージを送るのに役立つが、スコット・アドキンス演じるキラと戦った後では、賞金稼ぎはパリにいすぎた。
ある一派は、改造ショットガンと敵を焼却するドラゴンズ・ブレス弾を使い、優位に立っているよう。
ジョンの防弾ケブラー・スーツ(米大統領も着る? サブマシンガンにも耐えるオシャレな防弾スーツ)が焼け焦げてしまう、これは賢い戦術やけど、ジョンが脚本を翻し、攻撃者を倒し、自ら銃を使うまでは。
彼は基本的に、追いかけてくる何十人もの敵に爆弾を撃ち込む。
炎が広がるため、一発で複数の襲撃者を燃やし、さらに防弾アーマーを持つハンターを心配する必要もない。
一度撃てば炙り出されるので、得意のヘッドショットのために戻る必要がなく、非常に効率的やと云える。
ドニー・イェン演じる盲目の殺し屋ケインと戦うために教会に急行しなければならないジョンには厳しい締め切りが迫っているので、これは助かるはず。
今作品では、チャド・スタエルスキ監督が廃墟と化した屋敷の俯瞰映像に切り替えたおかげで、ジョンがドラゴンズ・ブレスを使いこなし、悪人の揚げ足を取りまくるシーンが補完されている。 彼はより素早く、より爆発的になり(文字通り)、この新しいおもちゃに支えられて、さらに熾烈なメンタリティを採用した。
ジョンはより射程距離をコントロールし、遠くからダメージを与え、壁やドアを焼き払い、普通の銃ではできないような道を切り開くことができる。
俯瞰視点はまた、ゲーム感覚なエッジを与え、ファンが期待する一人称視点を覆す。
その過程で、ジョンが遠くから何人もの敵を倒していくかが実に強調されてた。
観てる側は彼の任務の広さと範囲を目の当たりにし、アクションの美学がさらに弾ける。
ジュージューちゅう音もジョンをより威圧的にし、ジョンが彼らを灰に焼くのが大好きだと云わんばかりに敵を怖がらせるのに役立っている。
最終的には、ジョンがよりパワーを感じ、よりアグレッシブに敵に挑み、ドラゴンのブレス弾を使って攻勢に出ることに関係している。
悲しいことに、彼は弾丸を使い果たし、それを放棄しなければならないが、その時までに、彼はほとんどの歩兵を炒めまくり、最後の戦いに備えて歩むのはタマりません。
今作品はアクションエンタメ映画傑作の棚に仕舞える仕上がりになってたし、個人的には感情移入でき、恥ずかしげもなく気取りもせず満足のいく最終章やったと思います。
スタントワークを芸術の域にまで高め、他のアクション映画の大半を凌駕するシリーズ・ハイ・スペクタクルを提供し続けてるかな。
スピンオフ『Ballerina(原題)』も楽しみ。
キアヌ・リーブスはこれまで以上に機敏で、4作目にもかかわらずアクションで感動を与え続けてくれました。
しかし、今回もまた、彼が得意とするのはアクションだけでなく、終末感が彼の演技に陰鬱で瞑想的な性質を加えていて美しかった。
脇を固めとるキャストも、このシリーズの新記録となるほどの豪華やった。
イアン・マクシェーンとローレンス・フィッシュバーンは、お馴染みの強みを発揮し、それをさらに引き立てていた。
シャミア・アンダーソンを始めとする新人たちは、彼のキャラを実に興味深い角度から演じており、とても楽しかったし、リナ・サワヤマは善きスクリーンデビューを飾り、真田広之との相性は抜群やったかや。
ビル・スカルスガルドは、紳士のような服装やけど行動は正反対というキャラで、このシリーズのもうひとつの印象的な悪役。
チャド・スタエルスキの演出は巧みで、アクションシーンは相変わらず超クリーンで非の打ち所のない振り付けでした。
ナイトクラブのシーンはオリジナルより良くなっているし、対向車線での戦いは巧みで、ワンテイクは最高の出来でした。
また、スタエルスキがビジュアル・スタイリストであることも再認識させてくれましま。
ダン・ローストセンの撮影により、各ロケーションが視覚的にユニークで、特に照明が終始見事な映画を見事に作り上げていました。
テンポもとても良くて、序盤から勢いを増し、決して止まらない。
タイラー・ベイツとジョエル・J・リチャードによる音楽は今回もよく、ヒット曲だけに頼ることなくすべての名曲を蘇らせ、新しい曲をふんだんに取り入れた4作品の中で最もユニークなスコアを作り上げていました。
スカッとこれでもかとアクション堪能、個人的には十二分に満足な作品でした。

2023年3月17日、映画公開のわずか1週間前に悲劇的な死を遂げたランス・レディックの最後の出演作(60歳没。死因は虚血性心疾患とアテローム性冠動脈疾患)残念でならへんなぁ。
彼はスピンオフ作品『バレリーナ』(2024年)のシーンを撮影していることが確認されているため、これが彼のキャラとしての最後の出演となるわけではないけど。
プレミアでは、キアヌ・リーブスをはじめとする出演者たちが故レディックに敬意を表し、ブルーリボンを着用したそうな。
映画製作陣は、クレジットの最後にレディックへの献辞カードが追加。
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