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『犬鳴村』恐怖回避ばーじょん 劇場版のLCのレビュー・感想・評価

4.4
すごかった。バランスが。

「恐怖回避」と銘打ってはいるものの、恐怖を根こそぎ取っ払っているわけではない。
色々耐性なければ、終始警戒を解くことはできない。緊張感が持続する。その上で、決定打のみ完璧に回避されている。
たぶん、ゲゲ謎が好きな人は好き。特に物語の確信部分とか。ただ、あんまり怖いと見られないよ。そんな私みたいな人には有り難い工夫がなされている、そんな塩梅。

怖い場面でいつも可愛い犬さんが駆け回って画面を覆ってくれるわけではなく、寧ろ「工夫で恐怖やビックリを殺せるところは極力隠さず見せていく」スタイルなので、マジで警戒は怠らないこと。落ちて来た人の表情とかバッチリ映る。苦手な人は自分でも回避を。モザイク使ってて、寧ろ想像しちゃうんですけど!とかもある。
ただ、トラウマ決定打にはならない。ものすごい腕の見せ方したな…という印象。しかも天丼とか基本もしっかりしてやがる…

その村で、かつて何があったのか。
今尚その歴史を背負う者が存在しているとしたら、どのように紛れ込んでいるのか。
「この先日本国憲法通用せず」は、誰にとって利があるのか。
歴史も記憶も消してなるものか。そういう気持ちとか。
好きな人は本当に好きだと思うの。恐怖回避の工夫は物語理解を邪魔しないし、知っていくことや考えることには没頭できるの。
それにしたってアニメだろうが実写だろうが苦手な表現は苦手なんだよっていうそれ、それを極力、見られるようにしてくれてる。
なんなのこれ。すごい。
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