富樫鉄火

ブンガワンソロの富樫鉄火のレビュー・感想・評価

ブンガワンソロ(1951年製作の映画)
3.5
#103 生誕百年映画祭@神保町シアター
久慈あさみの生誕百年記念は、てっきり社長シリーズかと思ったら、意外な作品だった。
いかにも気の強い役が合う彼女らしい映画で、しかも歌声も聴けるとあって、なかなかいいチョイスだと思った。
しかし、とにかくひどい映像と音で(それでもデジタル上映らしいが)、これなら、フィルセンのプリントにしてほしかった(たしか16㎜だと思ったが)。
現地ロケもできず、市川崑は途中で降りたとあって、いわくつきの作品なのだが、話自体はよくできたメロドラマで、ジャワの一家(小沢栄、高橋豊子、久慈あさみ、若山セツ子)も、現地語を駆使して、よくやったと思う。
ラスト、関係者が終戦の事実をいつ知るか、ギリギリのやり取りを、もっとうまくサスペンスにできたと思うのだが、あれが精一杯か。
あたしの小学校時代、「世界の愛唱歌」とかいう副読本みたいな歌集に、インドネシアの民謡として《ブンガワンソロ》と《かわいいあの娘》が載っていたので、懐かしかった(後者の歌も、劇中BGMに流れていた)。
富樫鉄火

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