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父、兵士、その息子のmachiのレビュー・感想・評価

父、兵士、その息子(2020年製作の映画)
4.0
「タフであれ」。父親が息子たちに呪いをかけ続けているようで、見ていてつらかった。確かにこの父は息子を心から愛しているだろう。でも、息子たちは父親の期待に応えることが人生の目的になってしまって、自分の人生を生きることができない。

上記のような「男らしさ」の呪いという価値観の問題もあるし、貧しくて勉強も苦手な田舎の子どもにとって、軍隊以外の選択肢が少ないという問題もあいかわらず。始まった理由も知らない(と長男が言っていた)戦争に命をかけられるのか…?
「愛国」「ヒーロー」といったきらびやかな物語でからめとって、機会に恵まれない子どもたちを利用する搾取の構造があるように見えて複雑な気持ちになった。

この作品で取り上げられていた家族は、ある意味私のイメージしていた軍人の典型例だったので、それとは異なる例(都市部出身、裕福、教育水準高い等)があるならそれも知りたいと思った。
あれから長男はどうなったのだろう。幸せになって欲しい。
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