冒頭20分。
綾野剛の目から炎が出てるように見え、最初からスゴい迫力だった。
だが、後ろ姿が恐ろしいほど孤独なのだ。
舘ひろしから優しい言葉をかけられ、子どものように泣きじゃくる。
ヤクザ=家族。
世間からはみ出してしまった者。家族のあたたかさを知らない者。やむにやまれぬ事情でヤクザになった者。
まあ、勿論そんな単純で良い人間ばかりの集まりではないだろう。
美化するつもりはない。
後半は、綾野剛(=ヤクザ)はこの世に存在することすら許されないのか?という問いに、とても哀しくなった。
暴力や殺人は勿論いけないが、だからと言ってヤクザを忌むもののように存在を完全に否定することはどうなのか?
岩松了のような、悪人とツルンでるマル暴の刑事は存在してもいいのか?ヤツの方が余程人間のクズじゃないのか?という話にもなるわけで…。
綾野剛がどんどん追いつめられていき、その顔がとても弱々しくて哀しい。若き頃のギラギラして自信家な部分が無くなってしまった…。
周りは皆、彼が昔ヤクザだったというだけで離れてゆく。
ラストはやはり…。
現在の反社会的存在、磯村勇斗が綾野剛とは対照的にキラキラしていて、なかなか好演した。