さわら

あのこは貴族のさわらのレビュー・感想・評価

あのこは貴族(2021年製作の映画)
4.5
婚約者と愛人、出産経験者とそうでない人、都市と外部。安易に分断されるさまざまな女性たちを、歪み合いもせず、まさに「邂逅」してみせる。あの夜の、幸福な自転車の“ニケツ”が理想世界を象徴していた。

男も女も、血縁や制度のしがらみから脱したとき、真に人と向き合うことができる。あの美しきラストよ。人は「そんなの希望的観測だよ」と嘲笑うかもしれない。でも、それでもいい。映画はいつでも夢みる装置なのだから。